アグレッシブ構築(積み対面風味+役割集中)[ポケモンORAS シングル6→3 パーティ]

 1月下旬あたりから2月頭に使っていた構築です。後生大事にとっておいても環境は流れていくので早めに公開。6世代で組んだPTでは結果が出せている方かと思います。
 現環境で強い要素が最も多いであろうメガガルーラをコンセプトにするところは以前公開したPTと変わりません。
 しかし、ヒードランクレセリアなどをはじめとした受けポケモンは、採用すると厄介な相手に大きく隙を見せ、その隙をカバーするために他の選出も縛られてくることになります。
 更に、自分は安定的な投げ方をし続けたい試合でもサイクルを回す過程で相手に交換読みの行動をされてしまい、選出全体が負荷に耐え切れないというリスクも気になっていました。
 また、メガガルーラに関して言うと猫だまし+すてみタックルで多くの相手にめっぽう強いこと、アタッカーとしては素晴らしい火力とまずまずのSを持ちつつも豆腐ではなく絶妙な耐久をもっていること、親子愛の2回攻撃による強さ(襷等の貫通や、相手への事故率など)、不利な対面でもダメージを与えてから引いたり、ターン稼ぎ、積みポケなどのストッパーにも使える猫だましの利便性等等を考えるとかなり万能なポケモンです。ただし、火力的に突破困難な相手やゴツメ持ちには一方的にアドを取られる形になってしまいます。その際に、相手の受けポケモンが作る隙を裏でカバーするのもよいですが、結局相手の裏にゴツメ持ちが残ることになってしまい、ガルーラの良さが活かせないということはよくあることです。
 
 なので、今回のPTでは「後手に回らない事」「最後に一貫性を作りやすい構築にすること」「そのために、引かなくても相手の選出に打撃を与えられること(相手に倒されるとしても完全に止まるのではなく削りは遂行する)」「よって、幅広い範囲と打ち合えて火力の高いポケモンを採用する」ということ等を意識して構築を組みました。
 その結果、役割集中+積み対面のような形をとった構築となりました。5世代の頃はこのタイプの構築は好んで使っていたので自分には合っていたと思います。
 中身に関しては少し試行錯誤しており、その変更についても個別解説で触れます。


<個別解説>

ガブリアス@きあいの襷→ヤチェのみ ようき AS全振り さめはだ
げきりん じしん がんせきふうじ つるぎのまい

 高火力の一致技であるじしん、げきりんの範囲によって数多くのポケモンと戦うことができる。更につるぎのまいを採用することにより、止めに来るクレセリアなど(他にはポリゴン2やゴツメサンダー、スイクンなど)を大きく削ることができ、後続のガルーラが動きやすい場を作ることができる。終盤以外はきあいの襷で採用しており、ストッパーとしての性能はこちらのほうが上。しかし、僕のジャポボルトへの評価はともかくジャポのみ解禁によりしばらくはジャポボルトが増える可能性が高いと考えたこと、後発から出していく場合などに襷がない状態でも氷技に耐性ができたり、氷技+先制技に縛られないこと、氷技を撃ってくる受けポケに対する削りの確実性を考えて後半はヤチェにしていた。もしジュエルが解禁されていたらそれでもよさそうかなと思っていた。


ガルーラ@ガルーラナイト ようき AS全振り きもったま
ねこだまし すてみタックル れいとうパンチ じしん

 基本的なASメガガルーラ。ゴツメカバに対して非接触れいとうビームを撃てたり、ナットレイで止まらないという点などで、むじゃきで両刀にしたねこ捨て身+特殊2本の構成もいいなと思うが、ようきA全振りの猫だまし+すてみタックルでギリギリ持って行けていた相手も多く、Aを削るのを嫌いこの構成でいった。地震を打ちたい場面は技を考える時に想定する場面よりかなり多かった感覚なので、優秀なサブウェポンだった。ただし、案の定ゴツメ持ちやナットレイはかなり投げられるので、他のポケモンを使って動きやすい場を作る。このPTではガルーラを最速にしておかないと、初手のガルーラガルーラ対面で負ける場合の損失が大きいので最速推奨。実際に何度も初手ガルーラ対面になった(負けることもあった)。


ボルトロス(化身)@オボンのみ ひかえめ 理想は 174-*-92-180-100-155 だが実数値-3
10万ボルト めざめるパワー氷 くさむすび 電磁波

 この記事 http://akeueka.hatenablog.com/entry/2015/01/16/003321 に触発されて考えた。現在はジャポが解禁されているのでSに振ってジャポでもよいかもしれないが、ボルトロスは生きているだけで価値があるポケモンなのでオボンによる場持ちも魅力。
 この方の記事ではSが147だが、削りと掃除を重視するこのPTにおいて意地鉢巻ガブに何もできずに沈んでいくことは避けたかったので、Sのラインを準速ガブ抜きの155まで上げて火力を削った。カバラグを確定にできなくなってしまうが、ステロを撒かせてもボルトを場に残していれば次の相手に電磁波を撒いて繋げられるので許せる範囲。意地鉢巻ガブに関しては倒しきれなくとも、ガルーラ、ガブ、ウルガ、ガルドがそれぞれ上から叩ける。火力を削っても臆病C全振り程度の火力があるので相手には相応の負担をかけられる。このポケモンを使っていてオボンが腐ることはなかった。
 ボーマンダ入りへの選出率は高めで相手にPTによっては極力ボルトロスを選出したい試合というのはあり、その際相手のマンムーやラグがいるだけで選出できないのは困る。ただし、もっと選出したい試合もあるのでナットやドリュウズへの打点もほしいが、技スペが足りない。ここまで技の範囲を広げてもほぼ止まってしまう相手が居るので、そういった相手がいるPTにはその止めてくるポケモンに投げて大きくアドを稼げるポケモンと同時に選出することが困難なら選出しないほうがよい。
 電気技は裏に負荷がかからず、突っ張り続けることができる10万ボルト。相手のサンダーに連打したいので10万ボルトとめざ氷はPP上げ必須。Dに振ったサンダーは押せませんが、周囲のポケモンが大体D振りサンダーには強いはずなので羽のターンに投げれば問題ないです。
 草結びは構築全体で呼びやすいカバルドンへの遂行速度が速く、一発入れられれば後は誰でも倒せる状態にできる。
 一応このSだとドリュウズのスカーフ判定も行うことができる。


ウルガモスゴツゴツメット→ラムのみ おくびょうCS(前半後半ともに)
(オーバーヒート→大文字) (めざめるパワー地面→氷) ちょうのまい むしのさざめき

 ナットレイクレセリアを起点に幅広い相手に負担を掛けられる有能なポケモン
ギガドレインは便利だが、命中安定の一致技でもあり、更に採用しているだけでエルフーン等を対策した気になれるのでさざめき。
 当初はあまり後続への交換をしたくないので対面で弱い相手を減らすためにゴツゴツメットを採用していた。具体的にはオーバーヒート+捨て身の反動+ゴツメダメージでHに大きく振ったガルーラを対面に道連れにし、めざ地+ドライブの反動+ゴツメダメージでメガバシャーモを道連れにする。またこちらが削れたりしており、メガバシャがドライブを撃たない場合も、ゴツメダメージ+後述するギルガルド剣舞珠かげうちでメガバシャーモを縛ったりできる。バシャサンダーナットには確実に出したいポケモンなのでバシャに対しても動けるのはよかった。またガルーラクレセドランの3体に対してどれに対しても有効なポケモンになり、並びへの強さが増す。ある意味ボルトのくさむすびと似たロジックでの採用。めざ地ゴツメの場合対ボーマンダに対してはオバヒ+ゴツメダメ+剣舞かげうちorオバヒ+ゴツメダメ+捨て身反動+かげうち で縛れるので完全に何もできないわけではない。
 ただし、スイクンゴツゴツメットなら選出できたし、したかった試合も多かったということや、ドラン入りに対しては剣舞ガブや、スイクンギルガルド等(ギルガルドは出さない場合もある)で選出すれば事足りるということ、めざ地よりもめざ氷があったほうが選出しやすい試合が多い、電磁波に対して投げるケースも多いといった理由から後半はラムめざ氷で使用していた。前半の場合は最速ガルーラよりも先にオバヒを打つため、後半の場合はメガ前のボーマンダと対面した場合や、数は少ないですが意地スカーフガブやようきスカランドに確実にめざ氷を撃てるように最速。
 めざ氷がなくてもマンダガブへの削りは行えるが、めざ地がないとヒードランには何もできないのでそこは注意。


ギルガルド@いのちのたま いじっぱり シールド時159-112-170-×-170-89
シャドークロー せいなるつるぎ かげうち つるぎのまい

 今回初めて使ったが相手にかける負担、かげうちによる縛り性能、剣舞による突破性能など、個人的にはハマる要素満載のポケモンだった。少し前に出たオフではメガガルーラ+残飯ギルガルドで使用(構築内容は別)したものの使いこなせなかったが、珠ガルドはかなり肌にあっていた。氷やフェアリーなどへの後出しがしやすく、ボルトロススイクンと組ませやすい。ゴースト技はガルーラなどのノーマルタイプには効かないものの、他の相手には一貫しやすい。剣の舞を積んだ聖なる剣でポリゴン2やブラッキーナットレイなどを持っていく事ができるので、霊が通らない相手でもなかなか止められない上に、退場の際にもかげうちで相手を削りながら退場できるので、積み対面的な動きができてよかった。
 ウルガモスと同様クレセリアナットレイを起点に負担を掛けていくポケモンだが、PT全体への刺さり具合には差があり、更にどちらも過労死しやすいポケモンなので、両方を選出することにより安定感が増す試合もある。例えばガルーラを活躍させたい場合弊害となるクレセリアに対してウルガモスギルガルドも強いが、ガルーラに合わせてこの両方を選出することにより、片方が倒れてももう片方で展開できる。霊が通りやすい相手に対しては積極的に選出する。


スイクン@カゴの実→ゴツゴツメット HB振り
ねっとう れいとうビーム 瞑想 ねむる → ねっとう れいとうビーム ねむる ねごと

 この構築は基本攻め重視で組んでいるが、どうしても削り合いに勝つことが難しいPTも存在するので、高速アタッカーやアローなどの高火力な先制技を持つ相手に投げることができて上記の5匹との補完がとれているスイクンを採用。
 当初はカゴの実で使用しており、こちらも後出し電気に弱くならないという点や受けループをより見やすくなる点ではよかった。現状電気タイプには打点よりもクッション性能を重視することも多く、HD(残飯、オボン等)HB(ゴツメ等)のサンダー、図太いロトム、耐久振りボルト、などCが低めな電気タイプの存在が瞑想スイクンを動かしやすくしている。
 ただし、持ち物がゴツゴツメットなら選出しており、勝てたであろう試合があったり、ファイアローに加えてランドロスバシャーモもきつくなりがちだったり、序盤の削り合いに失敗して更に後半にガブやガルーラが出てきた場合はかなりつらくなるので、持ち物をゴツゴツメットに変更してそれらにも投げやすくした。ただし、何度も場に出しいポケモンであり、クレセドランへの強さも欲しく、更に瞑想ニンフィアの増加でミラーコートを採用する意義が若干薄れたことなどもあり、ねむねご型にした。打つ技は大体熱湯だが、マンダに打てたり、ガブへの遂行速度を早める冷凍ビームも切りたくない。受けポケではあるが、受けポケを起点にしようとするポケモンに対して熱湯の等倍抜群の範囲が優れており、更に後続に3割でやけどが入るという要素もあるので比較的隙は少ない方。ねごとがあればカゴと同じくカバルドンには強いということにしておく。
 重いポケモンが居る場合に絶対選出するわけではなく、自分の選出によっては見せる隙が少ない場合もあるのでスイクンを選出せずにボルトの電磁波やガルドの先制技等で誤魔化す場合もある。


<使用結果>
LunAさんの大会3位(方針の変えはじめなので面子は1匹違います)
エンペルトさんの大会優勝(32)
第130回九尾杯6勝1敗予選抜け
ひろっとさんの大会準優勝
kasumiさんの大会3位(80人)
はとこ’さんの大会準優勝
シングルレート2000ちょっと+71位(2月1日時点)
かたあげさんの大会優勝(32)
Aero Blast Cup3位(東京工科大ポケサーさん主催)
すぃかさんの大会優勝(32)


<総評や個別の他に書くこと等>
 大体の事は最初と個別に書いた通りです。受け出しをあまり行わないPTとはいえ、バシャーモやゲンガーに電磁波を入れるためボルトロスを投げたり等、全く行わないというわけではない。ただし、受けるための受け出しはできる限りしないようにして、わかりやすい勝ち筋作りに直結させるような後出しをしたいです。
 あまり読みを行わず安定行動で固めて勝ちたいが、基本的に相手に隙を与えないポケモンで固めているので相手の行動をしばりやすく、所謂「読み」も「希望」となってしまうことなく成功する場合が多いです。
 例えばクレセリアに対してギルガルドを投げられた場合、ギルガルド側からすると最初の行動で読みを外しても壊滅的な損害を受けることはまずない(つまりクレセリア側の隙が大きい)ので、聖なる剣を打つという選択肢も十分にあり、クレセリア側は裏のガルーラやヒードランを投げることが安定的ではなくなります。かといってシャドークローやシャドーボールを撃たれるリスクも存在し、突っ張るのも非合理的ということになります。
 しかし、相手との強弱はあれども圧力のあるポケモンの場合はそうではない。例えば自分のガブリアスと相手のガルーラが対面した場合、ガルーラが最速で氷技がある場合ガルーラ側の有利対面と言ってもよいが、これはガルーラ側に絶対的な優位性や余裕があるわけではなく、下手な行動をすればガブリアスの攻撃2発で返り討ちにされてしまいます。このような状況であれば先ほどのクレセリアギルガルドの状況とは違い、相手の行動の予測が容易になるはずです。(ただし、中には所謂ヤンキープレイと言われる不安定で危ないが高いリターンを得られる行動を好むリスク選好派のプレイヤーも存在しますが)
 このPTでは相手に猶予を与えることがなく、こういった状況を作りやすいポケモンが揃っており、読みが必要と言われている第六世代においても比較的相手のとる行動がわかりやすいです。
 ただし、できる限り不安定な行動は避け、リスクを取ることなく勝てる勝ち筋を常に探すように心がけたいです。

 このPTは僕が組むPTの中では珍しくメガシンカが1匹です。以前の僕であればメガシンカが1匹だとメガを選出しないことが有り得、リソースの最大活用をしていないからダメだという考えでした。ただし、考えてみれば選出の際の自由度というのも資源のうちであり、メガを2枚にするということはその部分に関しては削っていると考えることができます。なので、構築によってはメガシンカ1枚も十分ありだという認識に変わりました。
 ガブリアスが襷ではなくヤチェになるということは構築全体で襷が余るという事になり、こういった構築で襷が余るのも勿体ない感触はあるが、逆に言えば個々の単体性能が襷に頼らずとも優秀ということでもあるので気にしない方向で。
 ガルーラはPTの中心ですが、出し辛いときもあるので、ガルーラ出し辛い時はそいつを突破あるいは削れる2体(ウルガガルド、ガブウルガ、ガブガルド)と合わせてできれば裏におくのもありです。
 積みポケをはじめとして、全体的に削り性能は高いはずなので、一匹一匹の役割が完璧に役割遂行できなくとも何とかなることが多いです。
 基本的に負荷掛けには優れているとはいえ、相手が交換しないということはないので、交換先や相手の選出パターンも考えて技を撃ちます。ただし、読むときでもリターンの高さよりは、最悪を避ける選択を心掛けたいです。
 比較的じめんの通りが良いPTなので意識して選出しましょう。
追記:選出の際に後出しについて考える際は、何と何に何を後出しできるか以上に、後出しした後の技がどのくらい通るかを検討する

 ちなみに真皇杯という大規模大会の予選が各オフで行われるとのことですが、僕は2月の下旬初めに引っ越しして地元の方に帰らなくてはならないのでどのオフとも日程があわず、ほとんどのオフには出ることが困難と思われるので出場する方は応援しています。そもそも本戦の時期に研修が入ってしまっているのでどちらにせよなんですが。
 今年も僕と皆さんに幸あれ