「多機能スタンダード」ジョウトオープン使用構築 

<全体>

長い間ポケモンから離れていたのですが、ジョウトオープンは5世代が好きだった人には向いてそうと思い手を出してみた。
※GWに東京に行く機会があったので対戦オフにも2つ出たが、あめおふは7−2で同率落ち、シングル厨の集いは5−3でミドルリーグに行くも2回戦負けという遺憾な結果に終わっており、そもそも構築に関してはほぼ自分の頭では考えていないという有様だった。

ジョウトオープンは5/27〜5/29の3日間で合計45戦だった。
初日に15戦、2日目は3戦か4戦、残りを最終日に消化した。
終結果は公開を待たないとわからないが、1806から最後1勝なので1810代なのではと予想している。
数えたところ35勝10敗
追記:レート1822 24053人中の19位

 金銀クリスタルまでのポケモンが使用可能とのことで、トノグドラやマリゲンポリ2にガラガラを入れてトリル展開等も一瞬考えては見たが、
 先制技やフェアリー勢が強い環境でもあるので、安定感がない(+メインの選出率が低くなりお荷物になる可能性が高い)ため、1匹1匹が腐らず、柔軟な動きができる構築にした。
 実は最初に使いたいと思ったのは零度スイクンや受けループ等に強いノイクン(残飯スイクン)で、取り巻きとしてバンギラスやサンダーを入れるという形を取るつもりだった。
 しかし、実際にショーダウン(オンラインのシミュレータ)で使ってみるとスイクン以上にサンダーやハッサムが強力であったため、構築の方針自体は変更せずに、PTの中心を見なおして穴を埋めていった。


<個別解説>

バンギラスこだわりスカーフ  ようきAS252 H4 すなおこし
ストーンエッジ かみくだく ばかぢから からげんき

パーティ全体で、トップメタであるライコウに不安があるのでバンギラスを採用。
ショーダウンではノイコウの数が多かったので、カゴバンギ等も考えたが、スカーフでないとボルトチェンジや波動弾に対しての安定感がなくなるのでスカーフ。
115属まで抜けるので、ゲンガーやスターミー等相手に事故を起こすこともなく、また、エンテイウインディを始め、中速相手に先手が取れる。
最高火力のストーンエッジと安定技のかみくだく
悪・岩技との相性が抜群の格闘技であるばかぢから。
からげんきは最初の時点ではヘラクロスとの対面でスカーフ以外なら勝てるようにつばめがえしだった。
しかし、そのような状況はあまり生まれなかったし、生む必要性も全くなかった。
そして、エンテイウインディに後出しする可能性はあり、その際に聖なる炎や鬼火で火傷を負った時にも打ちやすい技が欲しかったため、からげんきを採用。
単純に対面を倒すだけなら火傷状態のストーンエッジでもよいが、岩に対して相性のよいポケモンを投げられると完全に起点になってしまう。
ノーマル技であるからげんきは火傷状態のバンギラスに繰り出されやすい格闘タイプや水タイプ相手には通るので、一貫した技として打てる場面が多々ある。


ニドキングきあいのタスキ おくびょうCS252 H4  ちからずく
ヘドロウェーブ だいちのちから れいとうビーム ステルスロック

この面子の中だと一番目立つポケモンだが、一番最後に決まったポケモン
初めはカイリキーが辛いと思いソーナンスにしていたが、結局ソーナンスでも対策しきれておらず、単体のポケモンでどうにかする相手ではないことがわかり、
更にソーナンス選出時のアドバンテージの取り方が難しかったためやめた。
ノイコウ(毒10万まもるみがわり)が辛かったのと、高速の特殊アタッカーとしてフーディンを入れてみることもあったが、結局電気の一貫が切れていないので没。
最終的には電気の一貫が切れて、尚且つ襷を用いて幅広い範囲と打ち合えるニドキングを採用。
メインではないが、隙を見てステルスロックを巻くことで、サイクル戦や、抜きをしやすくできる。基本は対面との打ち合い。
そのため、ステルスロックはふいうちと迷ったが、ほぼ体力のない敵をふいうちで落とさないといけない場面より、ステロを巻くことで有利になる場面のほうが多そうだった。上からの攻撃で相手を縛るのは、状況にもよるがハッサムカイリューを出せば大丈夫であるし、そこで引いたら次のステロで倒れる状況を作ることもできる。
電気に対して無償降臨できれば、特殊受け以外は後出しの難しいポケモンである。
めざ氷2発で倒れるところは頂けないが、一番重かったノイコウは完封することができる。
だいちのちからとヘドロウェーブは範囲に優れる一致技。れいとうビームカイリューを確実に止めるために必要。
実際に試合をしてみると、サンダーのボルトチェンジカイリューマルスケを削ってニドキングを後出しし、げきりんを打ってきたらそのまま上から、龍の舞をしてきたら襷で耐えてれいとうビームを打てる場面が多く、採用は正解だった。


カイリュー@いのちのたま ようきAS252 H4  マルチスケイル
げきりん しんそく かみなりパンチ りゅうのまい

竜舞時の火力が魅力の珠カイリュー。火傷に弱いところが残念。
準速のヘラクロスキングドラを抜けて、カイリュー同士の対面で先手が取れるようき。
1舞かみなりパンチでH252振りのマリルリが93.8%で落ちる。
アクアジェットへの耐性があるため、かみなりパンチと合わせて太鼓マリルリのストッパーになり得る。
1舞すればエアームドを押せる火力があるので、ハッサムのはたきおとすと合わせて殴っていくこともできる。
(ただし、エアームドがいるような受け思考のパーティにはスイクン中心で戦う。)
炎のパンチでも同じことだが、ゲンガーにはげきりん固定を避けて殴りを入れられる。
ピクシーが居るだけで選出し辛いのが難点。


ハッサム@オッカのみ いじっぱり A252 H236 S12 B4 D4  テクニシャン
バレットパンチ とんぼがえり つるぎのまい はたきおとす

この構築の中心の1匹。鉢巻や珠の強みは承知しているが、このハッサムはそれらの持つ「負担掛け」「抜き性能」の分のリソースを若干「行動保証」に裂いた形となっている。あくまで若干裂いただけであり、A200は維持しており、「負担掛け」「抜き性能」も決して低くない。
ジョウトオープンのルールでは当初からハッサムが強いことは予想されており、初め鉢巻ハッサムを使ってショーダウンに潜った時は、炎タイプの数以上に、不意に飛んでくる「めざめるパワー炎」「カイリューやピクシー、バンギラス等のほのお技」がネックで大きくアドバンテージを取られてしまうことが多かった。
めざパ炎を警戒するべき相手には、フーディンやエーフィ等のエスパータイプ、草タイプ、進化の輝石を持つポリゴン2等、めざパ炎を一発耐えれば相手を大きく消耗させることができる相手が多く、上に書いたカイリューやピクシー、バンギラスも炎技を一発耐えるか耐えないかで勝負が大きく変わるポケモンである。
とつげきチョッキのほうが特殊全般には強くなるが、物理炎までケアしきれない。そして剣の舞は拘らないハッサムの非常に大きい長所の1つなので活かしたい。
有利な相手に打って更に有利対面を作り出すとんぼがえり。
説明すら不要な強力先制技のバレットパンチ
ゴツメ持ち等様々なポケモンの後出しに痛手を食らわせ、輝石ポリゴン2をPT全体で落としやすくできるはたきおとす。
これによってサンダー+ハッサム等でポリゴン2を見ることができる。
また、剣の舞をした際、バレットパンチが通りにくい相手、鈍足に対しての高火力の打点としても使う。
火力強化アイテムはないが、5世代で言うところの「鋼のジュエルを消費した後のハッサム」と同じような火力は出る。
PT全体との相性もよく、非常に出しやすいポケモンだった。選出時に腐ることがなく、最低限以上の仕事は確実にこなす。
サイクル選出ではサンダー、対面or積みの選出ではカイリューとの相性が非常によく、この2匹のどちらも出さないということはあまりないため、必然的に選出率も上がる。
単体でも多機能。並べても多機能。

サンダー@こだわりメガネ ひかえめ H140 C116 S252 実数値は 183-*-105-176-110-152  プレッシャー
10万ボルト ボルトチェンジ エアカッター ねっぷう

元々ジョウトオープンは通るのであれば電気がかなり強いルールだった。だからこそあれほどライコウの個体数がいたのだ。
サンダーはライコウに比べると遅く、相手の電気への耐性がないという欠点を持つ反面、電気・炎・飛行技を使えるため、1匹で広い役割を持つことができ、地面が無効であり、氷技を誘うという特徴を持つ。
パーティに入れていいのは6匹までという縛りがある中で、1匹でいくつもの役割を持てるというのは大きい。(同時に過重負担に気をつける必要がでてくる)
ボルトチェンジで相手の体力を削り、有利な受け先を出し、自身の10万ボルトや、後続の攻撃を通しやすくしていくというのが主な戦い方。
相手に地面がおり、電気技を打つのが不安なときでも、エアカッターが対面で等倍で通り、それなりの安定行動となる場面が多々ある。
ねっぷうも打つ機会はあるが、他に入れたい技があるならここ。(めざ氷、とんぼ、寝言あたり)
ボルトチェンジからの後出しがしやすい面子がPTに揃っているため、サイクル回しが容易。
S151で最速85族抜きだが、Sに244降るのであれば準速でいいと考えて252振り。結果的に多くのサンダーを抜けて正解だった。それどころかこちらより速いサンダー(おそらく臆病)も見受けられた。
耐久と火力の調整はもう少し考えても良かった気がするが、火力も耐久も絶妙になんとかなっていた気がするので、この程度でいいかも。
マリルリの滝+アクジェは確定耐え。じゃれつく+アクジェは悪く無い乱数で耐え。
プレッシャーはスイクンと合わせて少しでもスイクンの苦手な技のPPを減らせるが、良個体でせいでんきが居るならそちらのほうがいい。


スイクン@たべのこし おくびょう H236 B20 S252 実数値は 205-*-138-110-135-150 プレッシャー
ねっとう どくどく まもる みがわり

Bに20降っている個体を使ったが、C12 B4 D4のほうがよさそう。
低下力のポケモンや零度スイクン等に毒を撒いて倒す。後出しで有利なポケモンを出されても毒さえ入ればこちらのもの。
受けループに対してはこの子を中心に対応する。
ガブリアスのような強力な地面はいないものの、ドンファンイノムーはなかなかのスペックを持っているので採用率も高く、それらに後出しできる貴重なポケモン
メガネと思われるランターンの10万ボルトを耐えて毒を入れ、後続と合わせて削っていくといったこともでき、半端な火力の相手や、自分より遅い相手には本当に強いと感じた。


<コラムのようなもの+一応まとめ>

かなりいい加減な話で、あまり実態に基づいた話でもないので読むだけ時間の無駄かもしれません。ご自身の責任で。


最近、「積み」「対面」「サイクル」に分類して、構築の相性を 対面<サイクル<積み<対面 で考えるという説を見た。これは思考が迷走しているときに見通しを良くするためには都合のいい考えだと思う。しかしながら、1つの構築をみて純粋に「積み要素のみの構築」「サイクル要素のみの構築」といえるケースは少ないはずだ。いくら構築を「対面」に分類しても後出しを行わないということはないはずだ。なので、例外はあるかもしれないが、1つの構築にはいくつもの要素が混在していると考えるべきだ。ついでに言うと、対面と積みの距離が比較的近いため、明確に3竦みとも言い難そう。誤解のないように書いておくが、別に楯突きたいわけではなく、むしろこの考えを取り入れれば無駄を省ける部分も大きいし、方針もすぐに明確にできるので、センスのあるプレイヤーの思考だと思う。

個人的にはここで以前から言っている「ポケモンはPT合計6体という与えられたリソースをいかに無駄のないように配分していくかのゲームだ」という考えを出したい。
以前はこのリソースを最大限に活かすために、1匹1匹に汎用性がある性能の高いポケモン種族値に限らず)を使うべきという旨のことを言った。
今回は構築の方針に関してもリソース配分というところから考えてみましょうということだ。
1つの構築の中にはいくつもの要素があるが、どこに比重を置くのかという話なのだ。
どこに比重を置くかを意識して単体や並び単位から調整していく。

どこに比重を置くかを考えようと思うと、例の「積み」「サイクル」「対面」という分類は、正確かはともかく「わかりやすい」のだ。
サイクル<積み<対面<サイクル という強弱関係がもし要素単位であれ構築単位であれ成り立つのなら、そのときの環境で多いものを意識すればいい。
しかし、「積み」が強いからといって完全に「対面」に特化してしまうと「サイクル」との戦いを半ば捨ててしまう(少なくともこれが成り立っていると考えるなら)ことになるので、一応は構築の中に積み(サイクル崩し)の要素を入れる。
全体を10としてこの3つの要素に配分していくイメージ。この不等号から言えば積みは積みに弱くないので2つに配分するだけでもいいかもしれない。
「積み」が強いと思われる環境なら 対面:積み:サイクル=7:3:0 相手も「対面」の場合の安定感をとるなら 対面:積み:サイクル=6:2:2 
「積み」が強いけど、サイクル構築を使いたい場合なら 対面:積み:サイクル=4:0:6 といった感じ。
ポケモンはゲーム内で数値が出ているもの以外(耐性や並びの相性等)は測れないので、あくまで各人の裁量になるし、「サイクル」要素で「積み」を止めることも勿論可能なので絶対の話ではない。

ちなみに真に受けない方がいいし自分でも真に受けていない。

このジョウトオープンはどうなのかという話だ。
このルールでは当初から「積み」の天敵である、ヌオーやピクシーが多かった。(ちなみにヌオーやピクシー(ジョウトに限る)はサイクル要素の強いポケモンと思う) 受けループの数や、エンテイウインディ等、ハッサムに対する硬い炎の数が多い。ちなみにこの時点で「積み」が「サイクル」に止められているのでおかしいことになっている。
なので、「積み」の要素に多くを裂きすぎるのは危険だ。
自分の積みが難しい一方、カイリューや珠ハッサム等はいるので意識が必要。対面性能を全体的に意識する。(火力・速度があり、行動が確実にでき、対応範囲の広いポケモン
環境的に一番強い要素は明らかに「サイクル」であるため「積み」で崩したいが、ハッサム、珠カイリューなどでは止まりきってしまうことがでてくるので、その場合本来「積み」要素のないスイクンを中心に崩す。積めば楽になる場面は多々あるので、適度にその要素を入れるほうがいい。
絶対数として多いのは、なんやかんや普通に殴ってくるやつと、交換合戦でサイクルを回すPTなので、サイクルの要素を強める。強め方としては今回の場合はサンダー+ハッサムのような相手への負荷を重視した強め方にした。この形でサイクル要素を強めると、結果的に対面の要素を補助して強める形になってくるのは、対戦してみるとわかると思う。

割合としては 対面:積み:サイクル=3:3:4 程度のとても中途半端な感じになったように思うが、反面、どういったタイプのパーティに対しても対応策が見いだせた。6匹というリソースの中で様々なパーティへの対応をするならば、やはり1匹1匹の性能が重要だ。
多機能スタンと書いたが、間違ってはいないと思う。
そう考えるとやはりこの構築の象徴は今回使用したHA羽なしオッカハッサムなのかもしれない。本当に有能なゼネラリスト。
というか端的にいうと僕は有能なゼネラリストを6匹集めたPTが普通に強いと思うし、今回の6体もやはりそういう面子を揃えている。
そしてやっぱり普通の解説をもう少し載せたほうが良かった気がする。



顕示欲のために風呂敷広げすぎて結局畳めてない構築ブログの屑
本当にすみませんでした。




ジョウトオープンは非常に面白かったですが、3日間だけというのが惜しい。
そして構築記事を書いたのも本当に久しぶり。でもやっぱり自分で考えて最後に記事に残すのは楽しいです。
他ゲー等にもちょくちょく手を出したり新しい趣味探したりもしつつ、普通のシングルやスペシャルルールとかもできたらなと思う。
シングルまた強くなりたい気もするけど、ガルーラ中心に6体で考えるとこれ以上はあまり発展性がないし、それでもガルーラの性能が破格な中で他使ってもなあというところ。
でも配信はしたいなあ